メンタルヘルス研修を実施しました。

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今回、ご依頼を受けてメンタルヘルス研修を担当しました。このテーマで以前にも実施はしていましたが、コロナ禍以降はあまり実施する機会がなかったテーマです。

研修では管理職者には「ラインケア」一般の方は「セルフケア」を中心とした内容に構成して実施しました。両方に共通した内容はメンタルヘルスの現状をお話ししています。法的には労働契約法第5条により、事業者には従業員の健康と安全を守る「安全配慮義務」が課されている。よって年一回の「健康診断」の受診による身体面での健康管理と従業員50人以上の事業場での年1回のメンタルヘルスチェック等による精神面の健康管理が義務付けられています。

ところが職場では「うつ病」になる人が現実にいることは言うまでもありません。日本人100人に対して5人~7人は「うつ病」になるとのデータもあるぐらいです。また、厚生労働省の患者調査によると精神疾患を有する総患者数は、258万人(2002年)から419万人(2017年)と15年間で1.6倍増加している。精神疾患は気分障害(躁うつ病等)、統合失調症、神経症性障害(恐怖、不安、パニック発作、強迫観念等)の3つに大きく分類される。患者数別(2017年)でみると、最も多いのが気分障害127.6万人(2002年から約1.8倍増加)、次いで神経症性障害83.3万人(2002年から約1.9倍増加)、統合失調症79.2万人(2002年から約1.1倍増加)と報告されています。

どの企業でも人材に余力があるわけではない。しかも、近年は企業を取り巻く社会環境が急速に変化しており、企業経営は一段と厳しさを増している。これに伴い、従業員の仕事に対するプレッシャー、ストレスも高まっている。もし、従業員が一人でもメンタルヘルス不調に至り、組織が機能不全に陥ってしまうと、チームとしての総合力が発揮できなくなり、生産性も低下してしまう。

小規模の企業や部署であれば、従業員それぞれの変化に気づきやすいかもしれないが、企業規模が増えるにつれ、その把握が難しくなってくる。多くの従業員が働いているだけに、目を配るには限界があるだろう。その点、従業員と近い距離にある管理監督者は、従業員と日頃からコミュニケーションを取っているため、リスク不調を把握したり、良好な職場づくりに向けたアクションも図ったりしやすい。メンタルヘルス対策においても、一次予防は重要であり、しっかりと取り組む必要がある。それだけに、「ラインケア」はメンタルヘルス対策にとって非常に有効な手法であると言えます。

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